新車を買う時にやはり気になるのが「値引き」ですよね。
値引きなしで売れるのは今や高級外車ならびにバックオーダーを抱える位絶好調な車種の新登場時位でしょう。
昔から「月刊自家用車」のX氏の値引き大作戦をはじめとするディーラー値引き攻略法なんてのもある始末。
「目標金額は○○です! 経営の違う競合同士ををぶつけて攻めてみよう!」
実に勇ましく新車ディーラーマンには挑戦的な文章です。
この本を穴が開くほど読みやる気満々で来るお客様がいらっしゃいます。
営業マンは、このようなお客様にどう対峙していくか?
今回は、私が営業マン時代に体験した値引き交渉で困ったお客様を紹介していきます。
営業マンもお客様も人ですから、買った頂きたいお客様だと値引きをしたくなるものです。
値引きを迫る悲喜こもごもの人間模様をご覧ください。
さて、困ったお客様とはこんな方です。
1.この値段にしてというお客様
見るとありえない金額 (月刊自家用車にウルトラC級の値引きですとか書かれてる)おそらく長期在庫かキャンセル車の類でしょう。
もしくはメーカー対策か下取りの対策でも入っていたのでしょう。
たまたま営業所の目標未達ギリギリで特別条件が出たのでしょうか?
値引きというのは色々な要素が詰まっている為、雑誌でウルトラC級というような金額が出るのはいろんな偶然が重なった結果です。
でもご説明してご納得いただけない方もいらっしゃいます。
特別な事情というのは当然こういう値引き情報には載っていません。というか載っていても、こういう方は見てません。
すごい条件ですがすいません、当店ではお力になれませんという感じです。
そういうお客様は基準の値引しかしません。
2.見積もりを並べてくるお客様
(見積をざっと並べて)
で、おたくはいくら値引きしてくれるの?
「値引きの常道は競合を競わせること」と書いてはいます。
とはいえ、いろんな所から見積もりを取りすぎている人がいます。
もはやこの見積もりを取った店の営業さんの顔すら覚えていないんではないでしょうか?
どの車が欲しいんですか ?
ご参考までに拝見出来ますか?と見せてもらいます。
▲20万引いてありますが、しっかり愛車セットやら救急箱など必要のないものも入ってます。
本人は得意げですがしっかりやられています。
こういう場合は、本体価格からの値引きかどうかをしっかりご説明します。
今一度値引きに際して余計なものが入っていないか確認しましょう。
いらない付属品などから引いてあるパターンがあります。
あと、たくさん取っても同じ会社の別店に行ってもお互い調整が入ります。
個店の実績が芳しくない場合などの例を除いては会社内の営業所で食い合う事はほぼありません。
裏で連絡を取り合い調整します。
こういう競わせ方は営業マンの心証が良くありません。
営業所の成績が振るわないのであればいい条件が出てくるはずですが
このような値段でしか見ていないお客様はアフターにもつながりにくいですし、なにかと苦労することが多いのです。
このようなお客様の口癖は「高い」ですから。
3.はったりをかましてくるお客様
へえ でもあそこの店では50万引いてくれるって言ってたよ。
おたくはこれしか引かないの?
割とよく遭遇するタイプのお客様です。
あなたのところはこれしか出せないの?って言ってきます。
車種にもよりますが、本来値引きというのは基本ディーラーの利益から捻出します(基本ですから例外もあります)
ディーラーの利益から基本値引きを切りますので、売って赤になるような値引きは基本しません(諸条件あり)基本スモールカーはディーラーの利益は少なく、利益は大概頭に入っていますのではったりを言っているのかどうかはすぐわかります。
こういう場合は普通に腹立つので一緒になって盛り上がってあげる作戦を実行します。
持ってきていただけたら店長に掛け合ってみます。できる限り頑張ります
いや、そんな見積見たら私も勉強になるなあ~
そういうと大抵こういわれます。
それか
はい、これは違うと断定します。
また今度見積持ってくるわ、じゃあ。。。と帰って行ってその後来店されることは、まずありませんが。
4、もはや値引きでしか車種を決められないお客様
あなたはどの車に乗りたいんですか?
まだ向こうはあと2万は行けるってさ。
3万円 大金ですよね。
さらに2万か…ただ、こっちも限界です。さあ、どうしますかね。
ライバルの注文書を見せてもらいます。
あらら、モデル末期の絶世の不人気車種ていうか、逆にこれだけしか引かないのか?という心のつぶやき…
お客様、申し訳ありませんがこれで限界です。
ただ、もし将来的にこの車を下取りに出すことがあれば絶対に今回の値引き以上の差になります
5万円は絶対無駄になりませんよ。そのくらいの人気車なので値引きは厳しいんです。
今後お客様のお近くにもこのお車に乗っているお客様が増えると思いますよ。
直訳すると「5万円の差額をずっと後悔しながら不人気車に乗り続けるのですね」
こういう方々は、もう値引きのことしか見えてないです。
あと、中古市場になったとき、人気車と不人気の下取りの価格の差は歴然です。
(実際に私が査定した中で私自身がひっくり返るくらいに値段が落ちていた車もあります。2年で半額って…)
あまり目の前の値引き額にこだわらない過ぎないようにしてください。
まあ乗りつぶすならいいですしされど数万というのはわかりますが、今後あの車が欲しかったなあと思いながら過ごすのはやっぱりお勧めできません。
まとめ
1.値引きの金額は、色々な要素があり極端に安いのはそれなりの訳がある。
2.値引きの見せ方にからくりあり、額面の値引き額に惑わされない。
3.はったりには、はったりで返す。
4.値引きだけに囚われすぎると、後々の事が考えれなくなる。
これは車販売に限った事ではないと思いますし、もちろんこのようなお客様よりいいお客様の方が断然多いです。
では逆にどういうお客様に営業マンは値引きをしたくなるのでしょうか?
この逆を行く方です。
勝った後にトラブルになりそうなお客様には、無理に買って頂こうと思っていないのが本音です。
次回は値引きしてしまうお客様について考えて来ましょう。
新車を買う時の醍醐味といえば値引き交渉ですね。でも嫌な人もいますよね?いちいち値引きいくらだった?とか聞かれてめんどくさいという人もいるはずです。ただ大体の人は安く買いたいのが本音というものディーラーも値引をドーンとする[…]