前回、入社半年にして研修でお世話になった店舗へ店長になって返り咲きました。
いくらパートさんとは言え、半年前に新人として色々お世話になった方々です。
店舗へ配属されたばかりの私に冷たく当たってきます。店長らしさを見せようと「威張る」という最悪の方法をとり、完全に孤立します。
上司は一言こういいました
泣きついた唯一の味方の上司に「信用をされろ」という助言をもらい試行錯誤の日々が始まります。
ただ、1人の学生バイトの一言が私を変えたのです。
それは、部活のマネジャーと同じようにしたら?というものでした。
どういう事?
しかしそれで店はすべての歯車がかみ合ったかのように前に進み始めました。
どうやら店長とは何かをようやく見つけられたようです。
いわゆる店舗という場所で勤務しているのであれば「店長」というのは1つの目標雇われでもなんでも店の規模にかかわらず「店長」というのは一国一城の主でありますただ、その分責任も多く、プレッシャーを日々感じながら働いていることでしょうね[…]
店長に求められている事とは何か?
泣きついたエリマネに「信用されろ」という言われたやちぞう。信用か…さあどこから始めたらよいのだろう。
プリントだってレジだって何も勝てるものがないし、商品知識だって決してあるわではない私がどうやって信用を得るのか… しかも今は何を話しても信用してくれない状態です。
店長としてどう信用を回復するのか?
同期やほかの店の店長にも聞いてみます。
同年代の店長どもは皆S木さんとかいて鎌取の店長って本当に大変だよね~という「同情」のみ。だめだこりゃ。。。本屋にいって店長とは?という本をパラパラとめくってみます。
でも書いてあることは
そうじゃないんだけどな。そうなんだけどそうじゃない。
え?この本店長としてうまくやってる前提じゃん、その段階まで行ってないの、まだ。
もう、すでに店舗でのコントロールが効かなくなり始めていました。
新入社員の彼女を中心に店舗がまとまり始めそうです。
ああ、もうだめかもな。。。
毎日11時の遅番で勤務に入り、パートさんが帰る15時ごろまで店に出ず毎日バックルームの机で書類作成をしているふり…
天井を見上げてせっかくラッキーで入った会社だけど、またフリーター生活かな。
あーあ、おれ運悪いな。こんな配属する会社ってなんなんだよと人のせいにしてばかり
パートさんが帰ったらおもむろに店に出て、まだ学生達とは普通に話せる感じ。
ここからが私の時間となります。
これでは信用回復どころではありませんね。
完全に逃げてます。
社員同志の中も怪しくこんな状態で売上が上がるはずもありません。
少しづつ売上げが落ちていきます。
そんなこんなで3か月ほど過ごしたでしょうか…ある日学生バイトAさんと二人で閉店作業をしていました。
この子は本当に色々気が利いて物事を先回りしてくれます。
部活じゃもっと大変だしさ、マネージャーって日本語にしたら店長みたいなもんだよ。
彼女は大学の野球部のマネージャーです。
マネジャー?英語? 店長はストアマネージャーか…
そっか、店長は威張るものではないんだ!先頭から引っ張るだけでなく、後ろから皆を支えてあげる部活のマネジャーみたいなものなんだ!
ようやく心に光の一筋が差し込みました。
部活のマネジャー的な店長?
そか、威張るだけが店長じゃないんだ。
後ろから皆を支えるのも店長の立派な役割だよな。
いままで必死に自分が引っ張らなければいけないと勘違いしてた。
何を言っても皆が逆らってきて、こっちも態度が硬化して、そりゃそうだよな。。。
皆の後ろについて支えてあげればいいんじゃね??のスタンスだと思いました。
仕事のマウントをとるのでも、出来ない部分を注意しまくるのでもないのです。
ようやく店長として信頼回復できる道がわかってきた気がしました。次の日から早速やってみよう。
うーん、そうねそういえば発注の件でねちょっと間違っちゃって…
なにかあればいつでも言ってくださいね。
S木さん、明らかに困惑した顔をしていました。
でもなんとなくつかんだ気がしました。
ただ、商品知識やオペレーションの遅さを克服せねば…知識については店舗の在庫のカメラの説明書を片っ端から読んでいきます。
カメラ雑誌や写真講座の本なども片っ端から読んでいきます。
店舗での空き時間、休憩時間、家に帰ってからもずっと読んでました。
皆と解決の糸口がつかめたのがすごく嬉しくて、店長としてやっていけるのかもという嬉しさからもう夢中でした。
前職で1人で空を見上げていた毎日より、皆で一つの店を作り上げるような働き方が私にはあっていたんだなと思いました。
もう1人で働くのも孤立するのもコリゴリです。
皆さんは現状の配属先に満足していますか?新入社員などで一斉に配属が決まった場合は、仲間をうらやんでいる方も多いのではないでしょうか?それは先輩方も一緒で、うちにいい奴が来ないかな?と新入社員紹介のページなんぞを見てひそひそと話し[…]
相談を持ち掛けるスタイルに
そして、そのうち指示から皆に相談するスタイルに変えていきました。
もちろん自分の意見はもっています、ただちゃんと皆の意見をすり合わせて思う方向へ導くようにしました。
また、会社の指示事項については、やって!ではく、経緯をちゃんと説明して皆でやっていこうねって言い続けました。
まさに部活のマネージャーっぽいです。
オペレーションもだんだん早くなってきて、今までカメラ販売でお客さんに質問されていちいちパートさんとかに聞いてましたが、それもなくなり自分で販売できるようになっていましたし、プリント機の操作も早くなっていました。
そんなこんなでそれから更に3か月くらいたったでしょうか?
当初あれだけ孤立していたのがウソのようにS木さんとも普通に会話し相談も聞けるようになり、実権を握っていた社員の彼女とも次第打ち解けシフトが毎日遅番ということもあり、一緒に途中まで帰るまでになりました。
そして全店舗トップの売上
半年位たった頃、もう最初にそんな悩みもなかったように普通に店長として店を回せるようになっていました。
もちろん皆を支えるってスタイルは変わりません。もちろんエリアマネジャーのフォローも十分功を奏していました。
感謝です。
あれだけO店長とはレベルが違うと文句を言われていた私に時にはO店長の頃の方がこういう部分が納得できなかったなんて話も聞けるようになってきました。それは私が皆から少しづつ信用信頼を回復できてきた証でもあります。
徹底的に聞き役に徹する。共感する。頑張りに対して認める。
時には店長としての毅然とした意見を。そして皆の責任を取る覚悟を見せる。
こうでいれば威張らなくとも皆が上に持ち上げてくれます。
店の皆にも笑顔や笑い声が見えるようになり、そればお客さまにも伝わります。
特に混雑時のチームワークが改善して対応が早くなりカメラの売上自体も絶好調。
私が来て半年後、とうとう全国売上で500店舗中1位を獲得しました。
翌月の期首の制作発表会で東日本事業部の優秀店舗と優秀従業員で表彰されました。
もちろん皆が支えてくれたおかげです。
優秀店舗のお祝い会で店のみんなで歌った(S木さんも来た。)カラオケは今でも忘れません。
皆に色々教えてもらい成長させていただいたと今でも実感しています。
この経験がもたらしてくれたこと
店舗の隅でもうだめだ…とつぶやいていたあの頃を思い出すと、もう十数年以上たった今でも夢に出ることがあります。
ただ、この礎があったからこそ今があるのだと思っています。
小売業の方であればなんとなく経験がある方もいらっしゃると思いますが、今悩んでいる方に少しでもお役に立てればいいなと思います。
店長にとって従業員の信頼を得るのは1番のベースと言っていい部分でもあり、これがうまくやっていけるかがいわば店長の資質となると思います。という事はこれが出来なければ、いつまでも苦しい思いをするはずです。
周りの店長仲間も、それぞれ従業員さんとの関係に苦労していた人もいましたが、皆その経験の中から自分のスタイルを経験から導き出していました。
若くしてこういう経験をさせてもらえたのは今になってみると本当に貴重な財産です。
つまり
小売業はリーダーとしての人間形成の場に最適である。
言いきっちゃいます! ただ、私はもういいです(笑)
さて、ようやく店長としての本格的な第一歩を踏み出したやちぞうですが、なんと異動の辞令が飛び込んできます。
その理由はなんとも納得できないものでした。
皆さんも人事異動は何回か経験したことがあるでしょう。そのたびに色々な理由を告げられると思いますが、おそらくキャリアップの為だ、あっちで欠員が出て困っているだのまあいい感じで言われて異動するのではないかと思います。まあほとんど[…]