接客の仕事をしていればどうしても避けて通れないのが、理不尽なクレームを言ってくるお客様です。
そんなクレームを気にして悔しくて引きずってしまうなんてこともあるでしょう。
下手するとトラウマになって、今の仕事を続けていく事すらしんどいなんて思うもするかもしれません
しかしこういう輩(やから)は、もはや「お客様」ではありませんからこちらが仕立てに出る必要はありません
貴方は1㎜も悪くないのです。
筆者のかつて勤めていた店でも今回紹介していくようなクレームがありました
あまりにも訳が分からなくて
これは夢?と思う事もありました。
皆さんは自分の部署が人不足で仕事に追われていませんか?誰か人を入れてくれ~ と必死の叫びをしたことがありますか?誰かが退職してしまったり、人が異動してしまったり予想が出来ないお客様がきたりして、もう毎日がてんやわんやなんてこ[…]
さて、今回ご紹介していくのは私が体験したクレームでもなかなかの香ばしい奴らどものクレームとそれに対峙した時に1店員がどう対応したかの体験談です。
全国の接客業の皆さん、負けるな!
カメラのクレーム「こんな壊れるようなカメラ作りやがって」
写真屋ですが当店はカメラも販売していました。たまにチラシで安価な処分品のカメラが大量に入ってくる時があります、その時は見たことのないお客様がたくさんいらっしゃるのです。
ある日そのチラシでカメラをお買い上げいただいたお客様、カメラが動かなくなったと親子連れでいらっしゃいました。確かに動作しません。うんともすんとも言わず電池を入れ替えてもダメです。やっぱり初期不良かな?
一応保証書は発行していますが、お買い上げ後数週間なら交換対応で対応します。
へ? 落としたらだめですよ。 事故じゃないですか・・・・
修理扱いになりますのでご了承いただけませんか?
もしお客様の落としちゃったんだよねという発言が無ければ交換に応じていたかもしれません。安価なカメラですので、本当に初期不良かどうかメーカーさんもそこまでは調べませんから正直な気持ちとしては言ってくれるなという気持ちです。
お客様は顔真っ赤にしています。で
へ? 私悪いこといいました??精密機器なんですよカメラって。え、車とかもぶつけたら交換してもらえるんですか?
結局お客様も口が滑ってしまったようですが、お客様も必死だったのでしょう。聞かなかったことにしたかったのですが…
おそらく交換できるという決裁権を与えられてるのであれば、私がここで正論を押し通すのはあまり得策でなかったでしょう。「本当は交換は聞かないんですが、今回だけは~」でよかったかもしれません。
戦う気はないので私の決裁で結局交換しました。
お客様は引っ込みがつかなくなったらとんでもないことを言う
この写真のせいでこの子は受験に落ちたのよ
店頭に立っていると母親が息子さんを連れて店に向かってくるのが見えます。お子さんは制服姿なのでおそらく証明写真の撮影でしょう。ただお母さんがすごい形相なのでクレームっぽい感じが見て取れます。
証明写真ってどうしても首が少し傾いてしまう方が多いのでカットの仕方で調整はできるのですがたしかにそんなに曲がっているような感じではありません、出荷基準でいえばOKですが、ものすごく気にすれば少し曲がっているのはわかります。
取り直しにスタジオに入ります。なんどもお子さんの首を修正してシャッターを押そうとするんですが、直前で少し右に傾いてしまいます。カットで修正しようと仕上がりを確認しようとした瞬間お母さんが激高して一言
へ? そんなので落ちるんですか? 普通の高校ですよね?
落ちて残念な気持ちをぶつけたいのはわかりますが、それはあまりにな言いがかり。とはいえこの写真で落ちたという証拠はどこにもありませんし。
この写真で合否結果を左右されることはないかと思います。
もしお申し出の通りであれば当店撮影で有名校に入った方のお礼も頂戴しておりますので今度は絶対大丈夫です!
お客様、どうやらこれでご納得いただけたようです。
できないことはできないので、別の形に変換してお伝えする。
おれはプロなんだぞ、この写真に何億もの価値があるかもしれないんだ
まだまだネガフイルム全盛の時代。カメラにネガフイルムを装填しシャッターを切りフイルムに焼き付けます。そのため、1枚シャッターを切るとローラーが巻き取り次の駒へ送るわけですが、風の強い外などでフイルムを装填すると、砂などが入りその砂でフイルムに線傷がついてしまいます。
そのためプロはフイルム交換時などに、ブロアなどでカメラ内を掃除してから装填します。線傷も現像前、つまり写真に黒く入れば現像前、現像後の傷は白く入ります。現像前なら爪には引っ掛かりません。プロならそのくらいの知識はおもちかと思いますし、当時のプロは写真屋の写真の濃度調整を嫌い、ポジフイルムを使うのが一般的でした
ある日一人の男性がカウンターにつかつかとやってきて、ネガを捨てるように置きました。一言
この傷は現像前に砂などで引きずった傷かと思われます。
お写真の内容を見ていますと屋外のお写真が多いので、おそらくそれかと…
このフイルムにもしかして何億円の価値があるかもしれないんだぞ
へ? そんな管理のずさんさで傷入れておいてプロ? 億? これに?
どう見ても普通の花の写真、これを数億で買うなんて人いるのでしょうか?まあプロとおっしゃるなら同じプロとしてお話させていただきましょう。
ブロア? ブロアとは空気を送り込んでほこりなどを飛ばすスポイトの逆版みたいな道具
どうやらブロアの意味をあまり理解していないご様子
当時のプロはフイルムのロットごとにフイルムの面に塗る乳剤のロットごとの色のばらつきを抑えるために乳剤番号をそろえたりして徹底的に管理していました。最後の乳剤番号はもはや半分はったりです。
自称プロの方、勘違いだったようで帰って行かれました。写真屋って結構自称プロの方ってよく来られるんですが、そういう方に限って画角もピントも本当にそうなのかな?と疑ってしまうようなものをお持ちだったりします。
話をさえぎって言い返さない。ひとまずはお客様のお話をよくお聞きして返しどころを見つける。プライドを傷つけないように。
プロにはプロの対応を。
まとめ
みなさんのお仕事でも信じられないようなクレームをご体験した方もいるでしょう。最近はカスハラという言葉もあるように悪意のあるお客様も増えています。そういうお客様はお客様ではありません。毅然とした対応をしましょう。
このご時世で皆に閉塞感がたまっている背景もあるのだと思われますが、良いお客様や心温まるお客様もいますよね。
ありがとうって本当に原動力になります。接客から離れた今ありがとうって言われることの嬉しさをしみじみ感じます。
お客様はクレームを最初に聞いてもらう事でずいぶん溜飲が下るものです。最初にお話をお聞きして、お詫びとともにそのお気持ちに共感することがが大事です。これでお客様は落ち着く場合が多いので、誠意ある対応をしましょう。
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