あなたはプロジェクトの途中で大事な人がいなくなってしまった事がありますか?
病気や急な家庭の件など誰もが納得するような事であれば多少なり引継ぎをもって継続することができますね
ただ、逃亡してしまうとなると話は別です。
プロジェクトの途中で上司が逃亡したある社員のお話です。
予想もしない事が起こると人の本性がよくわかるのです。
オープンまであと3か月の所で、店舗の構想図1枚のみを残して疾走してしまった我が上司。
その上司の本部長ももうどうしていいかわかりません。
私にどうする?とひたすら詰めるのみ。
皆さんは上司に逃げられたことはありますか?上司から逃げた人はいると思いますが、上司に逃げられた人はあまりいないのでは?商品企画部に配属された私、さっそく仕事に取り掛かりますが、この会社に入って4年余りで初めて会わない上司に遭遇し[…]
上司に詰められるだけ詰められて何とか形にしました。
入居しているショッピングモールからも強烈なダメ出し。
さて、どうしたものか?
人は追いつめられるとなんとかするというお話ですが、こんな思いは誰にもしてほしくない
ただオープンした途端に上司が復活。
出勤してきた上司がなんと私が何とか開店させた店舗へ来てダメ出しを始めたのです。
新店舗を何としてもオープンさせろ
海外帰りの上司、私に散々大きな事を言って私のアイデアを一切受け入れず、遅々として進みません。
そして来年の3月オープンが決まってるのに12月に疾走してしまいました。
新店の構想を描いた紙一枚を残して3か月前に消えた上司、なんとかするしかありません。
あまりにも不憫に思った隣の課の上司が手伝ってくれることになりました。もうやるしかありません。
わからないなりに、もう何度も徹夜しながら店舗の具体的なプランを立て、各役員たちにもう時間がないですと半ば訴えるような形で取締役会を通過させました。
何とかメニューと取引先の選定を作り上げたのが1月の中旬でした。もうギリギリです。
やっと出来たのも束の間、オープンさせる船橋のお店のSC担当者(ショッピングモールの担当者)から連絡が…
早くどんな店をオープンさせるのか説明に来なさい
ひぃ
ショッピングモールの収益の仕組み
いわゆるイオンやららぽーとなどのショッピングモールはいわゆる賃貸マンションのお店版です。
店舗をテナントに入れてその賃料でモールを運営します。
しかし賃貸マンションと異なるのは家賃の取り方です。
住宅の場合は固定の家賃のみですが、ほとんどのショッピングモールはいわゆる家賃と売上により歩合で家賃を払います(固定家賃+売上歩合家賃)
そのため、売上が悪いというのはモールにとってもいい事ではありません。
ですから勢いのある有名店はモールにとって集客の面でも歩合の面でも貢献しますので、いろんな優遇を受けて誘致しますがうちのような弱小テナントは要するに入れてもらう側なので、そんなに好き勝手はできません。
モールに説明に行くも
今回の船橋店の開店については「新業態改装」という形で行われます。
要は今までの店舗からガラッと改装するわけです。
必死に自分なりに店舗のメニューを考えて、いよいよモールマネージャーに説明する日、つたないプレゼンですがなんとか説明し終わりました。
モール担当者が一言
予想外の厳しいお答え、しかしよく考えたら納得です。
売上が上がらなければ歩合家賃も減るわけですし、売上の低いテナントばかりを入れていたらモールの死活問題でもあります。
しかも地元では人気のモールです。
テナントの空きを待っている会社だってあることでしょう。。
私は精一杯自信のあるふりをして返事するほかありませんでした。
モールからの帰り、正直泣きそうになっていました。
協力者が増えてきた
隣の部署の上司、あと改装のための工事に一番協力してくれたのが、あの店長時代散々お世話?になった開発部長の奥様の旦那様、はい開発部長でした。
まさか一緒にお仕事させてもらうとは思いませんでした。
皮肉なものです。おそらく奥様より店長時代の私の愚痴も聞かされていたでしょう…
でも、絶対いい店作ろう!と言ってくれました。
ありがたい。
新しい店長も決まり、新規でパートさんも採用し着々と準備が進んでいきます。
さあラストスパート!
いよいよ開店
皆の協力のおかげで何とか開店にこぎつけました。
本当に皆には感謝です。上
司が疾走して1枚の紙のみでボー然としていた私に差し伸べられたいくつもの手、まあ会社ですから何としてオープンさせなければならなかったとのいうのもありますが。。
1か月はここで久々の店舗勤務をします。
本部長からはもう戻ってこなくていいぞいう励ましなのか本心なのかよくわからない突っ込み
上長といい本部長といい本当に合わない人ばかり。
色々な方々が巡回に来てくれてねぎらっていただきました。
まさかの上司が現れ、ダメ出し
そんなある日の店舗勤務。店頭にデーンと立っている人がいます。
あ、上司!
目を疑いました。疾走したはずの上司がこっちを見て立っています。
こちらに向かってきて一言
あ、唖然…
もっとよう詰めとくべきやわ…
ひっぱたいていいですか?
この上司、この後隣の部署に異動になりまた新たな火種を生んでいくのです。
まとめ
人は時に追いつめられると覚悟が決まって爆発力を発生させることができるが、本当に爆発してはいけないので
困ったら周りにちゃんと助けを求めよう。
この店舗、このあと2年ほど営業し、売上不振のまま閉店しましたが、ここでの新メニューがいくつも全国各地に波及していきました。
このあとも、激務が続いていくのです。