会社を辞める決意をした私は意を決して本部長の元に退職の意思を伝えに行きました。
そしてまた2度目の無職生活です。
散々に後ろ髪を引かれながら決断しましたが、引いた方も無事ではありませんでした。
常に自分を磨いていないと、世の中どうなるかわかりませんね。
このご時世自分の勤めている会社が未来永劫ずっと続くという事はないというのは認識していると思います。ただ、実際に会社が倒産や吸収合併する事は無いだろうと思っていると思います。そのような話があった場合、事前に情報が洩れると様々な所に[…]
退職届を提出!そして買収された会社の末路
意を決して本部長に退職の意思を伝えに行きました。
本部長は私に言いました。
今から良くなっていくのに…
これが何の意味を持つかよくわかりませんが、この時は最終的に吸収されると言われている競合の名前はまだ本部長レベルだけが知る話です。
おそらくいい話なんでしょうね。
もしくは私がそれで踏みとどまると思ったのかもしれません。
しかし私の心はもう揺るぎませんでした。
いや、でもちょっと揺れましたよ。
これだけ落ちるとこまで落ちたらあとは上がるしかありませんでしたからね。
そのあと本部長の重い言葉のパンチが飛んできます。
これは中々重いパンチですね。
そう言われてみたらそうだよなって。。。でもここで引いたらもう出るチャンスはないなと思って再度意を決して言いました。
本部長はお前はもったいないな、こいつアホだと言わんばかりの顔をしていました。
ただ、この本部長のあの時の顔はいまでも忘れがたいです。
買収される側の会社の末路は残酷なものです。
ただこの本部長も会社買収後に新しい買収先の親会社から解雇されてしまいました。
その後タクシー会社に転職したとは聞きましたがそこも辞めたとか…
妻への報告
実はこの時はもう結婚していました。
同じ会社の後輩、かつて鎌取店にいた新入社員の部下だった彼女です。
彼女も、本社の総務に配属になっていて同じ職場の1人です。
2人で共倒れにならないように、リスクヘッジしようという事で意見がまとまりました。
転職の決意には、妻の後押しもありました。
10年あれば世の中なんて変わる
いよいよ最終出勤日です。
正味在籍期間10年と少々、面接と初出勤の両方遅刻するという前代未聞のへまをやらかしながら理不尽な異動にも耐え、同僚に疲れた嘘で思わぬ立場と病気にもなり親会社の買収など大混乱の中なんとかやってきました。
でも、入社したころは本当に絶好調の会社でした。
出店もとんでもない勢いでしたし、売上も店舗を出せば出すほど上がりました。
上司が「今季利益が出過ぎるから何か経費を使うものある?」と聞いてくる始末、誰がこんなことを予想していたでしょうか…
それが「デジカメ」という新しいインフラが出た瞬間に瞬く間に業界が変わっていきました。
今会社が安泰だと思っていても、あっという間に世の中の情勢なんて変わっていきます。
この会社でも、その安泰の位置で油断しきっていた中高年の方が真っ先に追い込まれていきました。
会社の救済措置の貸付制度にかなりの人が頼ったと聞きます。
偉そう(実際偉かったのですが…)にしていた方々が焦って会社に残ろうとして消えていきました。
現業の業務に転職して、老体に鞭を打って働いているという話をあちこちで聞きました。
私も最終日に社長に報告しに行きましたが、一言
これだけでした。あのカリスマを誇った社長から最終日に初めて褒められたのでしょうか…
社長も次の親会社に買収されたあと、退任され地元へ帰られたと聞いています。
なにもかも変わってしまい私はこの会社を後にしました。
思わぬ誘い
さて、これでこの業界はK社とP社にほぼ集約されました。
前親会社のメーカーがうちをK社に売り渡す準備をずっとしていたようです。
この業界を牛耳っているこの会社が、業界の整理に乗り出してきていたのですね。
ナショナルチェーンのこの2社を残すのは業界としてはまあ妥当だったのでしょう。
私のいた会社はK社に吸収されました。妻もK社の社員になったわけです。
私は久しぶりの無職になり、これからどうしようかなと考えていました。
ひとまず妻が正社員として働いているから飢える事はないのですが、歳が歳だけに以前のようなノリで会社を選ぶような事はなくなりました。
大人になったのですね。
せっかく企画の仕事をしていたのですから企画の仕事に就きたいとは思いましたが、企画の仕事は何処も花形で狭き門です。
同業であれば即戦力で行けますが業界がもう終わっています。。
そんな折、以前のライバルのP社の関連会社の営業職の募集を見つけました。
ダメ元で応募したところ…
「別件でお話したい事があります。お越しいただけますか?」
なんだろう?と思いながら面接に向かいました。。
吸収合併の社員になって思う事
この業界は10年で大きく変わりました。
今は安泰と思っていても、10年後にはどう変わるかはわかりません。
この話は昔の話ですが、今はもっともっと世の中の移り変わりが早くなっています。
この当時に会社を去っていった上層部の方は私が入った当時はまさにこの世の春を謳歌しているほどの顔をしてふんぞり返っていました。
ただその油断がこのような悲劇を招いたのです。
常に自分を磨き備えていくことの大切さを身をもって感じました。
10年後に自分がどうなっているのか? 常に意識して過ごしたいものです.
在職中に支援サービスに登録して適職を見ておくのもいいかもしれません。
私は結局10年あまり勤務していた写真屋を退職しました。最後は会社自体が吸収されてしまうという悲しい結末になりましたが、私が入社したころは本当に飛ぶ鳥を落とす勢いの会社でした。それがまさか「デジタルカメラ」という画期的な開[…]