皆さんは競合会社が自分の仕事ぶりを認めてくれてスカウトしてくれたらどうしますか?
飛びつきますか?それとも競合に魂を売るような人間にはなりたくないと断りますか?
私は意図せず競合会社の最大手のP社の商品部に2割増の年収につられ入社を決めました。
以前の会社を飛びだしその中で必要としてくれているのならば何が悪いの?という感じです。
転職条件としては大成功なのでしょうが、以前の会社の人間から見たら裏切りなのでしょうか?
あまたありゆる転職雑誌の記事を見ると大成功なんでしょうね。
私は結局10年あまり勤務していた写真屋を退職しました。最後は会社自体が吸収されてしまうという悲しい結末になりましたが、私が入社したころは本当に飛ぶ鳥を落とす勢いの会社でした。それがまさか「デジタルカメラ」という画期的な開[…]
正直うまいこと行ったと思ってましたよ。
ライバル会社に入るなんて前の会社の皆への裏切りか?という思いもよぎります
実際に前の会社の同僚にも言われてしまいまいました。
ただ、スポーツ界などはプロ野球選手でもより年棒の良い所へ移籍したいというのは当然ではないでしょうか?
自分のポジションをいまのお給料より高く買ってくれるのであれば、移籍するのはそれが会社員だろうがプロスポーツ選手
だろうが同じと考えています。
しかし、そんなうまい話はそうそうありはしません。
本当にスカウトするのであればそれなりのエージェントを使うはずです。
私が入れるのにはそれなりの理由がありました。
業界最大手に負けた会社の元商品部社員がどこまで通用するのか!?挑戦です。
配属部署
会社は東京のど真ん中の麹町という所にありました。
以前が千葉の幕張でしたから30歳を過ぎて初めての都心への通勤です。
通勤ラッシュってこんなにしんどいとは思いませんでした。。
私の配属は、商品部新プリント開発プロジェクトという最初からとんでもないエリート部署
いきなりのプロジェクト配属ですか…
して、初日です。
会社はビルの3フロアを使っており本社内だけでも100名以上は余裕でいるようです。
条件の説明と提出書類の確認を終えた後人事の方と一緒に各部署にあいさつに向かいます。
私は一人一人に挨拶に出向きます。
挨拶に行く部署行く部署の方々がいきなり本社へ配属になった私の顔を覗き込むように見て一言
「あー今田さんとこか…いや、頑張ってね…」
普通に言ってくれるのでしたらいいのですが、なんとなく同情されているような言い方。。。
一抹の不安を感じます。
そういえば面接で専務が「ちょっと癖あるけど…」っていってたな。入社が決まったのが嬉しくてよく聞いてなかった。
さて、いよいよ新しい上司の元へ
くせの強い上司
新しい上司は今田さんです。
いままで1人プロジェクトでベンダー(システム会社)とたった1人でやりあって作ってきました。
プロジェクト? 今田さんと2人です。
つまりパートナーとしての採用ですが完全なる上司です。
肩書は部長ですが、部下がいなかった担当部長という名誉職のようなもので私が1人目の部下です
今田さんは挨拶をすると愛想も素っ気もなく、私に対して分厚い資料を何冊も出してきて私の机の上に置いてきました。
そして私に対して一言
見るとプリント機の要求仕様書の様ですが、中には英語のようなものもあります。
しかしとんでもない量です。
少し砕けた感じで言いました。
今思うと私の砕け方がいけなかったのか、距離の詰め方を間違えたのか?
今田さんの顔が一変し私にこう言い放ちました。
!!!この人ちょっとしんどいかも、しかも2人…やっちゃったか
覚えるのには、明らかにとんでもない量です。
ネットで意味を調べながら読みこむ日々がはじまりました。
今田さんは、指示以外の会話は、何を聞いても「今その話必要か?」と何も聞いてくれません。
コミュニケーションのとっかかりもありません。。。
話しかけてこない今田さん以外の社員
そういえば同じフロアに60人近くいますが、誰も私に話しかけてこないのです。
同じ島にも数人いますが今田さんのいないとき以外はまず声をかけてくることはありません。
私に話しかけてこないように今田さんから言われているのでしょうか?
これだけフロアにいて、皆楽しそうに話をしているのに私だけまるで心理的に隔離されているようです。
ただでさえ新入社員で心を許し許してもらえる人も誰もいないのにますます孤立していきました。
開発の取引先はマレーシアの企業
新型プリント機の開発ベンダーの会社がなぜかマレーシアの会社です。マニュアルが英語だったのはこのせいでした。
なぜ日本企業を使わないのかが謎でした。
おそらく開発費用を抑えるためのものだと思うのですが、電話会議でしかもお互い母国語でないのでコミュニケーションが取れません。
要求を投げてもまったく違う答えや余計なボタンがついてきたりと外国人ならではの自己主張とのはざまで遅々として進みません。
インターフェイスの日本語の意味ですら訳が怪しすぎます。
今田さんの考えは「言いたいことを言い合っていれば余計なコミュニケーションはいらない」から外国人の方が楽なんだそうです。
国内ベンダーと良好な関係を気づきながら開発して来た私にはまったく理解できません。
なぜこの外国企業を選んだのか、恐る恐る聞こうものなら「それ以上聞いてどうする?」で一蹴されます。
もしや会社自体も今田さんの扱いを困っているのでは??? と感じ始めました。
この会社に採用された本当の理由
今田さんの性格や周りの感じなどを見るとなんとなく私が採用された理由がわかってきました。
おそらく社内で今田さんと一緒にPJTをやりたいという人がおそらく居なかったからではないのか?
そこで探していた時にそれっぽい私がたまたま別職種で応募してきてのですが、経験がドンピシャだったのでしょう
「おっ いいタイミング」これだ!ってノリで私をいれたのでしょう。
私と今田さんのコミュニケーションがうまくいっていない事と自由奔放なシステム会社のせいで遅々として進まず。
今田さんはPJT報告で役員にかなりの叱責を受けるようになり…
当然のごとく今田さんはPJTが進まない苛立ちを私に向けてくるようになりました。
まあ7割は私がついていけないのがいけないのはわかっていますがそれにしてもちょっと無理
私としてもなぜこんなベンダーを使っているのかと心の声で毎日叫んだところで何も変わらず、手戻りとデグレードの繰り返しばかりです。
尋問のように叱責されることもしばしば、周りの商品部の方々は、それを同情の目で黙って見ているだけです。
とにかくコミュニケーションが取れない。どんどん気持ちが追い詰められていきます。
本部長ですら黙ってみているだけですからね。
これだけ人がいるのにキレまくる今田さんと私だけの世界です。
うつこそは再発しませんでしたが、精神的に追い詰められてきたのでしょう。
気付いたら帯状疱疹が出てきました。
どんどんしんどくなっていきます…
転職先の確認はしっかりと
今回は、ライバル会社だったことで入社を安易に決めてしまった事です
面接時に業務内容については出来るだけちゃんと確認して判断しよう。
なぜちゃんと業務内容を聞いておかなかったのか?
それは会社の大きさと同じ業界だからという安心感と前の会社の皆を見返してやろうというといういやらしい気持ちが招いた悲劇でした。
ますます追い込まれて遅くまで一人で残った私を見かねた商品部の原田さんが声をかけてくれました
ライバル会社の商品部でプリント開発のPJT配属で入社した私実態はやっかいな担当部長の補助業務でした。[sitecard subtitle=前回 url=https://www.nobilife.com/1209/][…]