皆さんは現状の配属先に満足していますか?
新入社員などで一斉に配属が決まった場合は、仲間をうらやんでいる方も多いのではないでしょうか?
それは先輩方も一緒で、うちにいい奴が来ないかな?と新入社員紹介のページなんぞを見てひそひそと話していたりするわけです。
最初に配属される場所というのは非常に大事です。
なぜなら最初に配属される所で今後の会社でのモチベーションと成長度合いが決まってくるからです。
それは会社としてはあなたの希望と適性に合わせてベストな選択をしているというようなことを言うでしょう。
ただ当の本人には最初の配属先は今後の基準になるわけですし、まだまだメンタル的にも豆腐的な所があり最初の境遇で早々に折れてしまう人も多いのです。
最初の配属地がビリを争う辺境の営業所だったりすると、同期と比べて業務機会とモチベーションに大きな差が付きます。
今回は、最初の配属で辺境の地を引いてしまったとある新入社員のお話です(ノンフィクション)
そんな辺境の地で懸命に新車を売ろうとしている新入社員の奮闘も併せてどうぞ
会社員であれば誰しも1度は「研修」というものを受けたことがあるはずです。特に入社したときの「新入社員研修」がおそらく一番経験者が多いかと思います。学生から社会人というのは誰しも大きく環境と境遇が変わる為、いまだ厳しい新入社員を実[…]
配属先ガチャではずれを引く
厳しい本社での2か月半に及ぶ研修を乗り越え期待に胸を膨らませて配属先の営業所に向かいました。
自宅から10分ほどの距離にある規模の小さい営業所で30拠点ある中で下から1~2番目の規模です。
今どきの広い綺麗なショールームとは程遠く個人の工場がやっているような整備工場にリフトがわずか2台
なんかイメージと違う~
ショールームと言えるような代物でもなく県道沿いで周りは森。
なかなか苦戦しそうな営業所のたたずまいです。
まあなんとなく家の近くなのでここだったらテンション下がる~と思っていたらその通り
まあ自宅から近い店舗への配属が原則なので仕方ないのですが、大きな幹線沿いに綺麗なショールームを構えている大型店舗に比べればかなり苦戦しそうなたたずまいです。
店の規模に合わせた目標台数なので公平性は保たれてますが誰だって国道沿いの綺麗なショールームのある営業所で買いたいですよね?
今は店頭の割合が多く、基本はショールーム営業が主かもしれませんがこの時代の営業は地域が割り当てられ、受け持ちのエリアをテリトリーといい基本その中のお客様と関係を築き上げて売っていきます。
テリトリー内の整備工場さんや、お客様の紹介などが大きなポイントです。なお、
店頭に来られた方は一番最初に手を付けた方が勝ちです。
店頭は先輩方がまず一番に手を付けるので、新人は先輩が出払ってからです。
狙いは若干古めの家族連れでくるお客様。新しめの車は点検なので私に(は)用はありません。
でも店頭に基本平日はお客様は来ないので テリトリーのお客様をじっくり回って取っていくしかありません。
私に充てられたテリトリーは、先輩に分けてもらうのですがいいお客様がいる場所をもらえるわけもなく殆どが未開の地の寄せ集めです。
畑と田んぼのどこにチラシをまく?
営業所で売上ビリ争いをしている支店で店頭の順番では鼻の利いた先輩には勝つには至難の業です。
しかもテリトリーはその営業所管轄でもお客様がいない地域の詰め合わせ。
ビリ営業所の未開の地のテリトリー
こりゃ参った。
頑張ってテリトリーお客さんの家にチラシを持って行ったところでしかもあぜ道、一歩タイヤが外れれば田んぼにドーン 私のテリトリーって田んぼの中に家がぽつんとある集落と山の中の集落、あとはできたばかりの新興住宅地。
山の中の集落は、スーツ着た人が、庭先に入ってきただけでもう住民は警戒モード、おばあちゃんに
「おめ何しに来た!?」
新築の住宅地はは一見よさげだけどローンで車を買うどころじゃない。
チラシを配っても全く反応がない。
とゆうか家がなくて配るものしんどい…日に日に配りきれないチラシがトランクに溜まっていきます。
トランクの半分がチラシの束で埋まったころ
社用車の後ろのサスペンションがチラシの重みで沈みだしとる…
夕方焼却炉(いまや時代の産物)へ行って、ひたすらチラシを燃やす日々。
一生懸命ごみを燃やす私の姿をたまたま巡回に来た部長が店長に一言
部長:「あいつは何をやってるんだ!!」
店長:「確かにゴミにしては多すぎますね…」とうすうすやってることに気づいていながら見逃してくれていたのに
もう隠せないと堪忍したのか店長が部長に白状
そして部長からむちゃくちゃガン詰め説教!
心の中で「じゃあこのクソ田舎のどこに毎週配るんだよ」って思った所で何も変わらず。
また焼却炉へ
しまいには行くところもなくなってきて毎日田んぼの脇に車を止めてリクライニングを倒してフロントガラス越しに空を見つめる日々。
「俺、なにやってるんだろう」
営業所を出るなり公園の駐車場などに行く日々、だってすることもお客さんもいないんだもん。
最後はゲームセンターで給料のほとんどを使ってしまうマッチポンプぶり
とうとうお金を使い果たし行くところが無くなった新人
出勤→出動→家で寝る→寝癖付ける→営業所に戻る→うその日報を書く→退社のルーチンに
まあ、いまで言うリモートワークってやつ(なわけがない)
いや、ちゃんと販売関係の手続きなどはしっかりやってましたよ。
お客様さえいれば…研修で叩き込まれた交渉術
そんなテリトリーだとやはり土日の店頭勝負!
土日は店頭大得意の先輩と営業所入り口で待機。
第一目標 家族連れの車
第二目標 ひとり身のちょっと古めの車(車検年月日をチェック)
ただ新車発表時はカタログ目当てのお客様ばかりなので気を付けなければなりません。
車が入って来た瞬間にダッシュします。
先輩はスタートダッシュが速い!私も一歩遅れてスタート!
あ、点検かな??走りながらお客様の様子が違う事に気づきます。
あっ!と横を見たら先輩が速度を落として気づいたら私が前に出ている。
さすがベテランだ、点検は整備担当につなぐだけだから、ただ面倒なだけなのをわかっている
しかし
あのー営業の○○さん(先輩のこと)います?
先輩がつかまったー ざま…(以下略) 今がチャンーーース!
その時少し古めの家族連れの車が入ってきました。
あ、家族連れだ…
ここでのターゲットは旦那ではない。奥様です。
家計を握ってる奥さんがどれだけ気に入るかです。
奥さんをターゲットに乗り心地室内装備をアピール。
旦那さんにはエンジンのパワーとかちょいとメカニカルなアピール。そうその辺のツボは研修で習得してますよ。
どうですか? お客様は買わされる?という警戒心は常に持ってます。私はこう言います。
もしよければいくらになるか計算してみます?(見積り)ひるむお客さんにはこういいます。
見積もりという言葉に警戒心がなければ第一関門突破!それでも警戒している家族にはこういいます。
まだ警戒の家族最後はこう言います。
新人なんで見積だけでもお渡しするよう上司に言われてるんです。もらっていただくだけで結構ですので、お受け取りいただきませんか?
これで7割くらいはもらっていただけます。
まあまあ、説明だけでも聞いていってください、じつは上司が見てるんでお茶だけでも飲んでいってください。これで、椅子に座っていただきます。反応を見ながら、対応を変えていきます。
ただ、新人であればこういいます。
これは1年目限定、初々しさを狙っていく。ただ私には全然通用しませんでした。
試乗中にお子さん大きいんですか?と聞かれる始末。まだ22ですが何か?
こうやって相手によって変えていきます。
お客様が見積に目を落としている視線の位置、顔の表情、夫婦それぞれの表情で大体の感触を読み取ります。
3か月近く研修していれば、あらゆるパターンのお客様に対する対応方法は叩き込まれています。。
反応がなければ深追いはしません。ここでお客様が値引き・納期・下取りの話をしてきたら可能性があります。
一応基準値引表通りに出していた値引きと競合の駆け引きが始まります。
ただ値引きだけをしつこく迫ってくる人は、万が一買って頂いても何かにつけお金の話になりますので営業マンはあまり顔はしません。
売れている営業マンほど引きの体制に入ります。
しかも販売後に少々お高めのディーラー車検や点検にはつながらない傾向がありますので。。
あの手この手で値引きを迫るお客様
値引き交渉は新車ディーラーマンの腕の見せ所です。
何も考えないで入ったこの会社でも一番楽しくて一番しんどいのがこの値引き交渉でした。
そしてここで叩き込まれた駆け引き術は今でもスキルとして身についています。
お金がかかった人間の欲の表し方というのは、怖いくらいです。
次回は自動車ディーラーに来るお客様と営業マンの駆け引きと人間模様をお伝えしたいと思います。
新車を買う時にやはり気になるのが「値引き」ですよね。値引きなしで売れるのは今や高級外車ならびにバックオーダーを抱える位絶好調な車種の新登場時位でしょう。昔から「月刊自家用車」のX氏の値引き大作戦をはじめとするディーラー値引き攻略[…]